2011年08月05日

〜薬師のタマゴと電波ちゃんの小話・2話〜

ついったの方でちょこっと呟いていた、薬子ちゃんとミントちゃんの組み合わせの小話
書いてしまいました

冗長なので三話に分けておきます
更に同人的な要素入っているので、ちょいと間を空けます

















「あっ、間違えちゃった」
 小声で薬子さんがそう零したのを、ワタシは確かに聞いた。
 あの人は完全に栄養ドリンク『Be☆Happy』を実演する気でいたのだ。
 ここからどのような状況になってしまうのか、軽い悪寒が走る。どう予測しても悪い結果しか起きない。
 よし、逃げ出そう。

「うおっしゃあああああああきたああああああッ!!!」
 逃げようと踵を返したその時、薬子さんの高らかな雄叫びが響いた。
 効き目が出るにしても、早過ぎである。益々もって、合法だと信じ難い。
 その薬子さんはいつの間にか、ワタシの正面に回りこみ、立膝の体勢で近づいていた。
 真後ろにいたはずなのに、一体どんな速度で追いついたというの。
「どーこーへー行くのかなー? 薬子ちゃんのお話はぁ、まーだ終わってないぞー?」
 表情はあの営業スマイルを崩していないが、声のトーンが低くなっている。ただならぬ威圧感を感じる。
「すごいでしょー、このお薬。こんなヒョロヒョローな薬子ちゃんでも、おチビちゃんになんてすぐ追いつけるのよー。
 これをトップアスリートさんが飲んだら金メダ――」
「それ、ドーピングです!!」
 別に今、それを口に出す必要などないというのに、感情のままに自然とツッコミが出てしまった。
(薬を飲んでだけど)盛りのついた相手を刺激することが、どういうことかわかっている筈なのに。

「確かにそうね……いけないことよね。あちゃー! これは薬子ちゃんやってしまいましたー!」
 最悪の結果を恐れて縮こまっていると、薬子さんは頭を軽く指で叩き、自分でツッコミを入れ始めた。
 予想していた結果とは真逆の反応で面食らってしまったけれど、今の内に逃げることができるかもしれない。
 一人でオーバーリアクションをとる薬子さんを完全無視し、横を通り過ぎていく。
 しかし、それも叶わず、ワタシの眼前に再び薬子さんが出現した。
 薬を飲ませるまで、何としても帰さないつもりか。

「それよりぃー。どうするの? さあ、飲む? ていうか飲んじゃえ?」
 これだけのものを見せ付けられて、さあお薬を飲めと言われても、できるわけがなかった。
「飲む? 飲めば 飲むとき 飲もーーーーーーーー」
 薬子さんが、ワタシに顔を近づけてきた。よく見ると、赤い瞳はぐるぐると混濁している。
 あの薬のせいか、それとも元来のものなのかは知らないが、その瞳は吸い込まれそうな眼力で、恐ろしかった。
 押し込んでいた筈の恐怖と混乱が、段々と強くなっていく。
 すいません、もうワタシ、我慢の限界です。

「ごめんなさいッ!!」
 遂に恐怖に負け、ワタシは薬子さんを押し退け、そのまま逃げ出してしまった。
 先の薬子さんの速度なら追いつかれるのは明白だというのに、防衛本能に任せて、自然と体が動いてしまっていた。
 それでも構わない。後ろは振り返らない。これ以上危ないことに巻き込まれる前に、今は全力疾走するだけ。
「あーん、待ってえ、待ってよおー」
 後ろから薬子さんの声がするが、どうやら追いかけて来そうな様子は無い。ムラ・ムーラの効果が切れたのだろうか。
 もしそうだとしたら、すぐに効果が切れてしまう薬って、どうなんだろう。
 いや、試供用に効果は薄めてあるのかしら。
 ……余計なことを考える前に走ろう。
posted by あらかねひろ at 20:44| 北海道 ☁| Comment(0) | 駄文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。